人目よくらむ

雑記です

公園の鉄棒でガチの筋トレをする集団

タイトルは例えの話である。
これは私の参加している無料塾(学習支援)ボランティア団体の話だ。この塾では中学生を対象に、民間の大手学習塾にも負けない(と自負している)高校受験対策指導を行っている。それはさながら、公園の鉄棒でガチの筋トレをしているようなものではないか、という結論に至った。

ボランティアには様々な種類があり、「無料塾」の形も様々ある。ただ、他の無料塾を見学などしてみると、驚くほど「受験指導」とはほど遠いと言えるような活動が多いことに気付く。決まった教材もなく、学習スケジュールもなく、到達目標もなく、生徒はただ教科書を持って来てなんとなく分からなかったところを聞く。中には専門外のことを聞かれて一緒に考え込むボランティアスタッフを目にすることもある。それでも、その生徒にとっては勉強をしようとすること自体が評価に値する行為という場合もあり、「学習支援」の在り方は実に様々であるなと驚く。

他にも、話を聞いたり相談に乗ったりと子供の「居場所づくり」に重きを置く団体や、給食を出す「こども食堂」のような団体など、団体の在り方も様々である。そんな中で、ボランティアでガチの受験指導をしようとしている我々は、公園のような誰でも利用できる開かれた場で、黙々と筋トレのメニューをこなしている異色の集団なのではないか、という結論に至ったのである。

「子供の貧困」はここ数年問題とされてきたが、ようやく世間の耳目を集め始めたように思える。その中で無料塾やこども食堂の絶対数も増えてきたように感じる。絶対数が増えてきたことで、上に挙げたようなそれぞれの特色も見え始めて来ており、利用する側も支援団体を適切に選択する必要が生じてきているように感じる。

行政はようやく重い腰を上げて、これらの既存団体を金銭的に支援したり、既存団体からスタッフを吸い上げたりすることで、「子供の貧困対策」をやっている素振りを見せつつある。我々の役割は、公園の鉄棒で筋トレをするためのノウハウをひたすら蓄積し、評価し、改善し、共有していくことである。きっといつか行政がそれを目ざとく見つけて、しれっと盗んでくれることを信じて。

「この接続ではプライバシーが保護されません」と言われた

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今日会社に来てブラウザを起動したらGoogleのトップページで

「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示された。
Googleだけでなく、httpsで始まるサイトどこにもつながらない。
検索しようにもGoogleもYahooも使えない。だがBingが使えた。

結論から言うと 「Kaspersky Small Office Security 3」が原因だったので、
Kasperskyを入れていない方にはこの情報は役に立たないです。


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NET::ERR_CERT_WEAK_SIGNATURE_ALGORITHM
Issuer: Kaspersky Anti-Virus Personal Root Certificate
となっているので、最近のSHA1に関するナニかと思って、
証明書設定で「信頼されたルート証明機関」から消したり、
色々ゴネゴネしてみたけどどうにもならず。

Kasperskyの設定で「プロテクションを有効にする」のチェックを外して、
さらにWindowsのファイアーウォールの設定も全部無効にして、
完全無防備な状態で挑んでもダメ。(正直これはさすがに行けると思ってた)

 



小一時間いろんな事を試した結果、原因はこれ。

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取りあえずこの「ウェブポリシーを無効にする」ことで、
httpsのサイトにアクセスできるようになった。なんだったんだ一体。
しかも邪悪なことにKasperksyの「Web保護」機能とは別枠らしい。
これは分からんよ…。

別にソフトをアップデートしたわけでもないので、
きっかけがよく分かってない。
この機能が何をしているものなのかは後でゆっくり調べることにする。

午前中が無駄になったので腹いせにブログを更新したなう。(仕事しろ)

自宅のひかりTVのSTBにDLNAサーバを設定した

自宅でひかりTVSTB(セットトップボックス)のDLNAサーバ機能を設定してみたらメチャクチャ快適になったというお話。

今の家に引っ越してきたのは約3年前、引っ越しと同時にひかりTVを契約。地デジもひかりTVで見ることができる。当初出たばかりのSTBはトリプルチューナーと銘打たれていて三番組同時に外付けのHDDに録画できるという、なかなかの優れものだった。


しかしイケてない点があった。録画した番組をHDDから他のDVDなどのディスクメディアに移せないのであった。なのでどうしても消したくない番組はHDDに溜まる一方…。 そんな中、非公式ながらもHDD内の番組をDVDなどに焼く唯一の方法が、DLNAサーバを設定して同じネットワーク上のパソコンで焼くという方法だった。これがいかに大変な作業なのかは2年ちょい前の自分のツイートが物語っていた。 

 

しかも唯一ひかりTVを録画できるとされたソフトウェア「DiXiM BD Burner 2013」は2014年12月31日で販売終了という…(上のツイートの1週間後である)
もうひかりTV経由でHDDに録画した映像を円盤メディアに移すことはこの時点でほぼ諦めていた。

しかし2年の時を経て再びひかりTVを円盤に移したい事案が発生したので調べ直したところ、SONYのPC TV Plusという(おそらくnasne向けの)ソフトが最近更新されて、ひかりTV経由の番組もメディアに移せるっぽいことが分かった。



しかし最初の問題として、STBが自宅内のLAN上でネットワーク的に隔離されているというのがあった。ネットワーク構成がこんななってるのである。

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もちろんネットワークに詳しい方ならこの接続がどれだけアホなことになっているかお分かりかと思うが、設置当初はこの構成じゃないと安定して通信が出来なかったのだ。普通に考えればネットワーク構成は下のようになる。

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今回、まずこの構成に変えてみるところから始めてみたところ、特に問題なく通信できるようになっていた。おそらく、STBファームウェア更新によって改善されたのであろうと思う。おそらくIPv6関連のアップデートが関係していると思われる。

そんなわけで晴れてSTBDLNAサーバを設定したところ、なんてことはない、さっくりとPC/スマホからSTBに接続できるようになったのであった。


早速、SONY PC TV PlusをPCにインストールして、番組をBD-Rに焼いてみたところ、(かなり時間がかかったものの)ダビングに成功した。焼けたBDは家のBDプレイヤーで再生できることを確認した。(ダビングした番組がコピーワンスだったのでSTBからは勝手に削除された)


結果として
・HDDに録画した番組をBDなどのメディアに移せるようになった
・録画した番組を家の中ならどこでも見られるようになった
・というか普通にTV番組をリアルタイムでスマホで視聴できる
・なのでムスメとリモコンの奪い合いをしなくて良くなった


という革命が起こったわけである。
便利な世の中になったのぅ。

というわけで、今さらながらひかりTVDLNAサーバをお勧めしたい。
あとひかりTVはもっとこういう情報(SONY PC TV Plusの件)などを積極的に発信して便利さをアピールしてほしい。もうNetflixとかが便利すぎてしまっているので、ひかりTVもちょっとそういう方向に寄せて行って欲しいものである。

 

BASTEK (ORICO) USB3.0 HUB SH4C2を購入したよ [その2]

その1はこちらから。
そんなわけで早速分解してみました。(写真がテカっている)

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メインのHUBチップはVL813のようです。VIA正解でしたね。
ちょっと不思議な構成ですが、こんな感じの接続っぽいです。f:id:oga_wan:20170127020249j:plain

※青線がUSB3.0、赤線がUSB2.0

CypressのHX3ではShared Linkという独自の方式で、
USB3.0USB2.0の線を独立に扱って、4ポートのUSB2.0/3.0HUBチップで、
8ポート(4xUSB2.0 + 4xUSB3.0)HUBを構成できるという仕組みがあるようですが、
この構成はそれに近い感じがしますね。
USB2.0と3.0が規格仕様上、互いに完全に独立できるからこそなせる技ですね。


さて、いくつか分かったことを書いておきます。

・赤いUSBポートは、接続上はUSB2.0として認識されそうですが、
    回路構成上、USB2.0ポートとしては認識されない。充電専用のようです。
 基板上の部品(U14,U15あたり)を外せば認識されそうな気はします。
 R41~R45はAndroid/iPhone充電専用にするための抵抗が実装できそうですね。

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・赤いポートでNexus5を充電したところ、急速充電されました。
   しかし、670mA程度しか流れなかったのが気になります。
   単にNexus5のバッテリーがへたってきてるだけかも知れませんが。


・Nexus5にOTG変換ケーブルをつけてドッキングステーションとして使ったところ、

    HUB認識され、マウス、キーボード、USBカメラを同時に認識できましたが、
    Nexus5の充電は行われませんでした(重要)。
 充電しながら使えると思っていたのでちょっとショックです。
    まあそれでも、基本的にデバイスの電源はHUB側から供給されるので、
 スマホ側からの消費電流はそれほど多くはありません。
 充電しながらHUBになれるデバイスはまた別のものを試してみたいと思います。

・電源は12V3Aをアダプターで入れて、5V(5Aくらい?)を作っているようでした。
 これアダプターだけで1500円くらいはしそうなものなので、HUB全体として
 3,599円という価格はかなり驚異的だなと思います。ワンチップじゃないですし。
 

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5VはFR9855という降圧DC/DCコンバータのようです。
このサイズでFET内蔵で最大5.5A出力可能っていうなかなかパワフルな奴。
こういうのがDigiKeyとかで買えたらいいんだけどなあ。(見つからず)


いろいろと期待していたほどではなかったものの、
とはいえ、実用上は十分なスペックでありました。
これらは自分の設計にも参考にして積極的に応用していきたいところです。
やはり「ぼくの考えた最強のUSB3.0 HUB」は早く作らねば。

今日はここまで。

BASTEK (ORICO) USB3.0 HUB SH4C2を購入したよ [その1]

ここ1年ほど、USB3.0のHUBが欲しかったのだけど、
いろいろ条件を出してみるとなかなか欲しいものにぴったりくるものがなくて。
それで「無いのなら自分で作ってしまおう」と考えてここ数か月、
いそいそとKiCadで回路図を描いて設計を進めていたのだが、
ここへきて最強のUSB3.0 HUBを見つけてしまったので即座にポチってしまった。
もうこれでは「ぼくの考えた最強のUSB3.0 HUB」を作る意義がが
なくなってしまったのだけど、まあそれはそれでゆるゆると続けるとして、
今日はその購入した最強の「USB3.0 HUB」をレビューしてみようと思う。

 

購入したのはこれ。欲しかった条件としては、
USB3.0が使えること (欲を言えば3.1と言いたいところだけどまあ、3.0で十分)
スマホタブレットを(自動識別して)急速充電できること
・ドッキングステーションになれること(これ重要)
の3点なのだがこの3点目 が重要で、要はスマホに充電しながらHUBとして機能し、
キーボードやらマウスやらつないで動作できるという機能を持つHUBなのだ。
BUFFALOやELECOMなどのを探すと、まあ安くても6000円くらいからしかないのだ。
それがどうだろうこの商品。ACアダプター付きで3,599円なのだ。
もうね、こんなの作られてしまったら到底太刀打ちできないのですよ我々は。

ということで早速使ってみる。
PCのUSB3.0ポートに接続したところ、こんな感じで認識された。

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なんと、USB HUBとオーディオの複合デバイスとして認識された。
(まあ、なぜかオーディオポートもついてるので、そんな予感はしたけど)
ただ、USB HUBコントローラはCypressのHX3を使っていると予想していたので、
この構成は意外だった。よく考えたらCypress使ってたらさすがにこの値段は
厳しいのかもしれない。予想をVIA製に変更して続ける。(後で分解して確認する)

とりあえずUSBメモリで速度を雑に通信速度を測ってみる。
左がHUB経由、右がMB直挿し。 
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HUB経由してる方が速いじゃないか。まあ、1回しか測ってないので誤差と思われる。
1.6Gbps近く出てるのでただのUSBメモリとしてはかなり速い方ではないかと。
おそらく同じくらいの速度になっているのはUSBメモリの方のスループット
引っ張られていると考えられるので、とにかくここで言いたいことは、
HUBでの通信速度の低下はほぼ考えなくて良さそうということ。
(まあもう少し速いときにどうなるかも考えるべきだろうけど)


そして5V2.4A 充電専用ポートが赤いってのがまた良い。

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Nexus5をつないだら、ちゃんと急速充電されました。
多分、iPhoneiPadをつないでも、ちゃんと急速充電されるはず。
それはまた後日試してみることにする。

さて、次はいよいよ分解してパーツ類を確認、と行きたいところですが、
ちょっと長くなってきたのでこの辺で切って後半の記事に続く。


※余談。このBASTEKというメーカーはおそらくOEMだけやってるブランドで、
中身はORICO社(二重丸と関係ない海外のメーカー)の同名のHUBっぽい。

実は、今愛用しているUSB3.0のHUBもORICO製なのである。 

これは確かVIA社のVL811が2個入ってた。
やっぱりこういう、質実剛健というか、シンプルで使いやすくて
安くて良いものを安定して作っているメーカーは重宝するな。
ではまた後半で。

火曜TBSドラマ「カルテット」を見たのです

なんかツイッターのタイムラインで話題になっていたというか、
自分以外全員同じ場所で同じものを見ているんじゃないかと思えるくらい
すごい勢いで感想(というか絶賛)が流れていったので
これは去年完全に乗り遅れて最終回しか見なかった「逃げ恥」と同じ状況に
陥るのを避けるべく、なんとかして見てみようと思ったのでした。
今ならTBSオンデマンドで見れるってよ~ということで早速見てみました。

 

www.tbs.co.jp


感想。いや本当に素晴らしいですこれ。
まあツイッター見れば素晴らしい点はいっぱい挙げられていると思うので、
(無理やり)音楽的な話を絡めて幾つか言いたいのです。

弦楽四重奏」って、(西洋)音楽的には非常に洗練された構成だと思うのですよ。
音楽の三要素の一つと言われる「ハーモニー」はほぼ3~4音で決定されることが多いので、
単旋律がメインの弦楽器4本というのは、ほぼ「必要最低限」の構成と言えるのですね。
バイオリン2本にビオラ、チェロという音域の構成も素晴らしくて、
チェロの低音が奏でる倍音の上にビオラバイオリンの音がきれいに乗ると
その響きは無限の広がりを作り出していくわけです。
かのルートヴィヒ・ベートーヴェンも、晩年に「弦楽四重奏曲こそ至高だ!」ということを悟り、
素晴らしい弦楽四重奏曲を生み出していったことも有名です。
弦楽四重奏曲は、「無駄を極限まで削ぎ落とした、全ての音に意味のある音楽」と言えるのです。

と、長々と弦楽四重奏に関する想いを書いたのは、このドラマが、
そんな「弦楽四重奏」に奇妙に対比するかのように感じるところが多かったからです。
ドラマには、愛おしいほどに無駄に見える細かい表現が非常に多く散りばめられています。
コーン茶のこととか、鼻毛のこととか、パンツ履いてないこととか。
それらは無駄なようで、それぞれのキャラクターを少しずつ露わにしているように見えます。
ほとんど説明がないところから、各人の演技だけでそれぞれがどういう人なのか、
想像しながら見るというのは、テレビドラマよりむしろ生の舞台などを見ているときに
やっていることのような気がします。
テレビというのは、元来「映像」という強い情報があるため、
見ている人に想像を強いるような表現を避けて、できるだけ分かりやすいものを
作ることに終始してきたように思えます。
それをあえて情報という無駄を削ぎ落とし、出演者の一挙手一投足から
目が離せないように仕向けることに成功しているのは、
ひとえに完成度の高い脚本と演出と、出演者の演技によるものなのではないかと思います。

そしてまた弦楽四重奏の話に戻りますが、
弦楽四重奏曲の演奏というのは、指揮者が居ないので、
演奏者の音楽的な感性と息がピッタリ合っていないと美しい音は奏でられないのです。
ということはどういうことでしょうか。
みなまで言いませんが、本当にありがとうございます。
松田龍平さんの背丈を考えたら、松田さんと満島さんの楽器は反対の方が
見た目と音域のバランスが非常に良いはずなのですが、そこをあえてなのか、
満島さんがチェロというマニアックな配役は、何か理由があるのか気になるところですね。
チェロ男子のエロさは徳澤青弦さんで実証済みなので、
たまには楽器交換とかいうお遊びを入れて来てほしいところです。


後半はただの欲望あふれる妄想だけが噴き出る形になってしまいましたが、
そんなわけで2017年も火曜日の夜10時は楽しみな時間になりそうですね。
(逃げ恥見てなかったですけど。)



オガワンに一円もお金が入らないタイプのリンクを貼っておきますのでよろしければ。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番&第8番

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番&第8番

 

 

ハイバイ「ワレワレのモロモロ」感想(ネタバレあり)

初日(20161210)見てきました。

今回はオムニバス形式ということだったので、それほど重くてツラいものではないだろうと高をくくっていたのですが、そんなはずがなかった。ハイバイらしさとも言うべきなどぎつい人間ドラマが描かれていました。それもそのはずで、出演者のツラい体験談を再現ドラマにしているので、リアルに演じられるほどツラくなるのは当然とも言えます。

 

以下、備忘用のあらすじと感想

(細部に記憶違いの可能性あり)

 

ほほえみのタイ (上田遥)

能天気な女友達とタイ旅行に行って大変だった話。最後まで見た後になると、これ(と良々)はそれほどツラい話ではなかったのですが。まあ海外旅行って、ちょっとしたトラブルでも「異国の地でどうして良いか分からず立ち尽くす」経験になったりするので、演じられた以上にツラみとか焦りはあっただろうなと思う。けどわりかしコミカルに描かれていて、後で思うと「ツラい話だったっけ?」と思い返す程度のエピソードでした。川面さんのキャラが相変わらず良い。

 

トンカチ  (池田亮)

学校でいじめられ、家では中間管理職の母親に虐げられていたエピソード。父親のAVを見るシーンの、左右から喘ぎ声が聴こえてくるのが楽しい。あと、「ハイバイドア」的な小道具として登場したぶら下がり健康器具(?)の使い方が素晴らしかった。舞台上の表現の幅を気持ちよく広げてくるなあと思った。

 

おやじとノストラダムス荒川良々

良々(の役の平原テツさん)がカジュアルに手淫をしているところから始まる。深夜に酔っ払った父親(良々)が帰ってきて、良々(テツさん)を起こして説教を始める。一瞬、岩井さんのお父さんのような理不尽な説教が始まるのかとヒヤリとしたが、ゴキゲンで迷惑な酔っぱらいの戯言にとどまったのでホッとした。手淫をした後のお腹のあたりをしばしば気にする描写など、細かい演技も忘れない。後半は舞台を学校に移してコックリさん。ツラい話ではなかった。

 

いとこの結婚(平原テツ)

仲の良い従姉妹(川面さん)が、50代のバツイチおっさん(良々)との結婚を決めた。最初、良々が客席に近いところのスポットライトが当たらない辺りで積もる話を始めて軽く笑いを誘う。「おっさんが生命保険の受取人を前の奥さんから自分に変えてくれない」という話からだんだんおっさんの本性が現れていく。おっさんの闇が深すぎて怖い。

 

深夜漫画喫茶 (師岡広明)

池袋で一番安い漫画喫茶の深夜バイト。起こっていることも店員の態度も異様なことばかりなのに、何故か全てに説得力がある。深夜の漫画喫茶って本当に「こういうヤバい人がいそう」な空間であり、実際居るのだろうと思う。構成も秀逸。不条理を笑い飛ばすようなダンスもかっこいい。

 

山、ねずみ、カメ(岩井秀人)

某国に住んでいる親戚を訪ねていく話。団欒もピクニックも、全てが監視員の監視の元で行われる。もらったお土産は、手紙も含めて全て保安検査で没収されてしまう。見つからないように下着にくるんで持ち込んだお土産の瓶、その中身は。監視員がだんだん岩井さんの父親にみえてくるのはハイバイマジックとでも言うべきか。

 

「て」で起こった悲惨(永井若葉)

「虐げられてそうな顔」もヒドいが、もっと悲惨な展開が始まる。

岩井さんが菅原永二さんの役を務める地方公演の稽古にて。クジで配役を変えて流れを確認する稽古をしようと言い出し、始まる。岩井さんは「流れの確認だけ」と言いながらも、完璧な演技を求めて苛立ち始める。極度のストレスと喉への負担で永井さんが大変なことになる。 自分もあれと同じ症状を、声楽の授業中に目の当たりにしたことがあったのでその時の記憶が蘇った。本当に悲惨。

 

きよこさん(川面千晶)

キャバクラバイト時代の壮絶な先輩キャバ嬢のエピソード。しかも先輩キャバ嬢役は平原テツさんという…。キャバ嬢ドレスを雑に着たテツさんの衝撃的な見た目に出オチ感満載で始まるものの、最後には可愛らしくさえ見えてくるほど、きよこさんの人情味溢れる様が演じられている。

 

涙もろいのか、ハイバイ見たあとはだくだく泣いてることが多い自分ですが、今回のはそこまで深く感情を揺さぶられることもなく、清々しく見終えることができました。

とはいえ、それは一つ一つの話が短くまとめられているからなだけであって、それぞれを深く掘り下げられていたらやられていたであろうことは間違いない。それほどに、作者一人ひとりのツラさが直に伝わってくるような脚本と演出でした。

 

自分が一番好きだったのは深夜漫画喫茶かな。10年くらい前に自分も新宿の最安漫画喫茶に泊まることが割とあったので、あの感じはすごくよく分かる。 あのおかしな空間に居たら客も店員もどうかしてしまいそう、そういう鬼気迫る感じが見事に、コミカルにシニカルに描かれていたと思いました。

 

まだ見ていないハイバイ作品のDVDがあるので年末年始でちょっとずつ見ていきたいものです。