「共同親権」を巡る議論が気になった
「共同親権」を巡る議論が気になったのでメモと所感。
議論の発端はこの記事。
www.okinawatimes.co.jp
「7月17日の記者会見」のニュース記事は下記。
www.jiji.com
それに対する、武蔵大学千田先生の翌日の記事。news.yahoo.co.jp
記者会見の翌朝6時にこの熱量とボリュームの記事を上げられている千田先生には感服。とても丁寧に、欧米との比較をしたうえで、「丁寧に議論を」と呼び掛けている。それに比べると、木村先生の記事は意図的かどうかは分からないが、「推進派は不適切」と、バッサリ斬っている。
TBSラジオ 荻上チキSession22のヘビーリスナーの自分からすれば、木村先生の言説を擁護したいところではあるが、木村先生は共同親権の問題に対して、以前からかなりの強弁を振るっていて、少し危うさを感じる。
最も大きく反発しているのは、話し合い無しに子供を連れて妻に逃げられた「連れ去り」の被害者である男性諸氏であるようだ。中には、子供との面会・交流が一切立たれて自殺した例も少なくないとのこと(件数に関するソースは不明)。
【地獄の冤罪DVあるある】
— まろーん (@mmmmmaroooooonn) August 18, 2018
嫁不倫→バレる→嫁焦ってググる→嫁は女性相談センターに直行→嫁、証拠無し(嘘)でもモラ・DVを申告すれば有利に離婚出来る事を知る→弁護士もグルになって旦那名義の預金引き出して子供ごと家出→旦那がある日、仕事から帰ると家の中が空っぽ→旦那、一生子供に会えない
このツイートが、8/20現在で約8500件RTされていた。
そのスレッドの中、同氏の下記の返信が本質のようにも思えた。
#共同親権 #単独親権#子供の連れ去り
— まろーん (@mmmmmaroooooonn) August 20, 2018
子と嫁の身柄第一なので、とりあえず無条件に隔離されます。
それは仕方ないのですが、調査もしてくれず、その瞬間から一生子供と引き離されます。
適切な調査がなされないことこそが問題なのだという主張はその通りだと思う。それは「連れ去り」案件に限ったことではなく、今の警察・検察の捜査、取り調べ、司法判断の歪さこそが問題だということに行き着くと思われる。
ツイッターでは「連れ去り」被害者を中心とする共同親権推進派と木村先生が議論を交わしている。どちらも「子供の権利を最優先すべき」という主張をしながら、目指そうとするゴールが全く異なっているところが非常に興味深い。木村先生は現行法の問題点を「改善」すべきであると考えていて、推進派は新しい法の下でそれを踏まえたいと考えているだけの違いのようにも、傍目には見える。
「推進派」と思われる土井浩之弁護士の反論記事があったので貼っておく。
木村先生が「子供の利益」の議論を避けている、という主張があるが、自分はそうは思わない。記事の中でも「子の利益」という言葉を何度も書いているし、子の利益を優先して、現行の枠組みの中で出来ることがある、という主張に見える。
(どうでもいいが、「保守派」と呼ばれるような方々が大規模な改革を目指していて、リベラル寄りと思われる木村先生が現行法の保守を訴えているという構図も面白い。)
データを当たってないので単なる憶測であるが、夫のモラハラ/DVからの母子逃亡の例が圧倒的に多いのであろう(自分の身近にもいる)。それを踏まえて合理的な判断をすると、いったん母側の主張を丸飲みするのが確率的に効率が良いのだろうと思われる。だからと言って「連れ去り」被害者を無視していいことにはならない。
この構図は、痴漢冤罪ともよく似ている。圧倒的に被害者(主に女性)が多いにもかかわらず、件数の少ない「痴漢冤罪」を根拠に痴漢犯罪を被害者の責任にしようとするなど、明らかな論点ずらしが始まったりする。
「連れ去り被害者」の周辺には、女性の言い分を丸飲みにする警察・検察がいて、「痴漢/強姦被害者」の周辺には女性の言い分を全く信用しない警察・検察がいるという対比も非常に興味深い。連れ去りにしても痴漢冤罪にしても、結局は捜査・取り調べ・司法制度の問題点に行き着くことを考えると、まず改善すべきはそこなのではないかと思うのだが。
最後に、木村先生が一つの「答え」のようなツイートをしていたので貼り付けておく。「子供の利益を最大化するための子供の代理人を立てる。」これに尽きると思う。(が、実際にはいろんな方面のバイアスがかかって難しいんだろうなあ…)
父母の代理人とは別に、子どもの代理人制度を作った方がいいですよね。現在の法制度では、家庭裁判所の調査官等がその役割をはたすのでしょうから、「子の利益」への配慮が足りないのだとしたら、家庭裁判所の人員を充実させるための予算が必要だと思います。 https://t.co/ZeKJdanhEc
— 木村草太 (@SotaKimura) August 20, 2018
「万引き家族」を見て急に思い出したこと(ネタばれ含む)
普段ほとんど映画なんて見ないのだけど、毎朝毎晩TBSラジオを聴いているせいでこれは見に行かないわけにはいかないなという気になったので見に行ってきた。
映画は本当に素晴らしく、何がどうとかどこが良かったとかあのシーンはどうだとかいろいろ話すこともありそうなのだが、記憶の片隅にあったあるラジオドラマを思い出したのでそれについて書いておきたい。
※そのラジオドラマについて、さっき映画を見終わってから必死でネットの海を検索したのだが、詳細な情報には全くたどり着けなかった。何か覚えている方がいたら教えて欲しい。
そのラジオドラマの記憶はおそらく20年以上前で、恐らくやっていたのはTBSラジオの「ラジオ図書館」だと思われる。(青春アドベンチャーかもしれない)
あらすじはかなりうろ覚えなのだが、主人公は初老という感じの老女で、閉店後のデパートのエレベーターで寝泊まりをしているという設定だった気がする。普段はエレベーターに独りなのだけど、ある日見知らぬ男性が迷い込んで来て、家族のように暮らし始める。そんな感じで一人また一人(確かデパートの警備員も途中で入った)増えていって、最終的にエレベーターの中で鍋パーティとかが始まるなど、エレベーターの中で「団欒」が形成されていくのだけど、ある日とうとうデパートの非常ベルが鳴って、集まった人たちもそれきり散り散りになってしまう。
「”私の家族”…。なんて良い響きなのでしょう。」
という老女の最後のセリフが印象的でそれがずっと頭にこびりついている。
映画「万引き家族」はまさにその感じだった。血縁はないけど血縁以上の関係で繋がっている家族のような仲間、でもそれは非常ベルのようなきっかけで突然、いとも簡単に崩壊する。彼らをつないでいたのはお金だったのか、絆だったのか、共依存だったのか、それら全てでもあり、どれでもないような曖昧さを残しつつ、何も解決されないまま映画は終わる。我々が生きている社会はそれほどに不確定で曖昧であるが、見せかけの正しさで回っているということを突きつけられた思いだった。
「私の家族…。なんて良い響きなのでしょう。」
小中学校の理科の教科書、これだけは何とかしてほしい
急に思い出して、いてもたってもいられなくなったので書く。
今でこそ「ハードウェアエンジニャー」とか名乗ってオシゴトをしているが、大学では「音楽教育学」という何だかよく分からない学問を専門でやってるような人間だったので、電気の知識なんて中学生レベルだった。
中学生レベルの知識しかないのだが、いざオシゴトとなればやらないわけにもいかず、
せめて高校で物理Ⅱをとっておくべきだったと後悔したのは確か28歳の時だった。
そんなわけで独学で電気回路を勉強し始めたのだったがまあ早速つまづいた。
今振り返ってそのつまづきの原因を考えると、ある一つの電気に対するイメージが非常に邪魔になっていたことに気付いた。
それが小学校の教科書ではおなじみのこの図である。
豆電球と電池をつなぐと豆電球が光る。
あまりに何の変哲もない、もっとも単純な電気回路の図であるが、実用的な電気回路を考える場合、これほど邪魔な概念はないのだと今では思う。
さて何がいけないのか。
結論から言うと、実用的なことを考えるならこうするべきなのである。
ただ90°回転させただけである。しかしこれがものすごく重要なのだ。
何故か。
それは実用的な電気回路図は世界的に見ても、全てこの上図のように、「電圧の高いところを上にして書く」のがほぼ暗黙のルールとなっているから。
そして、全ての電圧の基準となるのが「グランド(Ground, GND)」なのである。
私は、この「グランド」の概念を理解するまでやたら苦労した。
その原因が最初の「電池を横向きに置いた図」のせいだと思っている。
私のイメージでは、電池というのが「1.5Vのパワー」を持っていて、豆電球をつなぐと、プラスの電極からマイナスの電極に向かって電気(電流)が流れる。
図で書くとこんな感じ。こういうものだと思っていた。
(これ自体はそれほど間違っているわけではない。)
だけど、実際にイメージするべきはこっちだった。
電池に1.5Vのパワーがあるというよりは、電池のプラス極とマイナス極の間に
1.5Vの電圧の差が生じると考えるべきなのである。
1.5Vというのは、マイナス極を0V(基準電位)と考えたときに、プラス極が1.5Vの電圧(電位差)になるということである。
この時のマイナス極が「グランド(基準電位)」となるということだ。
上のような回路は、高校の物理や電気関係の参考書などでは
のように書かれる方が多いし、電圧の高い方が上になるように書くのは、万国共通で分かりやすいだろうということは明らかなのである。(要出展)
ついでにいうと、オシゴトでよく見かける複雑な回路図は、同じ電源を当然のようにいろんなところで使いまわすので、同じ電位にはラベルをつけてこんなふうに描く。おそらくこの書き方はほぼ世界共通だと思われる。(要出展)
最近の電気回路の参考書などを見ると、電気を「水」に例えたものが多く、ポンプ(電池)で吸い上げられた水が高いところから下に落ちるときに仕事をする、というイメージで説明されることが多いし、それは実際分かりやすいと思う。
というわけで、小中学校レベルの電気の知識しかない人間が実用的な電子回路を書けるようになるまでになる過程で本当に邪魔だったイメージ図についてまとめてみた。
電気電子回路をちゃんと勉強してきた方には「何を今さら」という内容だと思うが、私にとってこのあたりの考え方を整理して再構築する過程は電気回路を勉強する上で非常に重要だったのだ。
この「電池を横向きに置いた図」は百害あって一利なし、
と個人的に思っているので、さっさと無くしていけばいいと思う。
強いて言えば「回路記号を横向きで習うから」という理由があるのかもしれないが、
それ以外の横向きにする理由は全く思いつかなかった。
「電池を横向きにした方が○○だから良い」などのご意見をお持ちの方がいたら
ぜひ聞かせていただきたいものである。
公園の鉄棒でガチの筋トレをする集団
タイトルは例えの話である。
これは私の参加している無料塾(学習支援)ボランティア団体の話だ。この塾では中学生を対象に、民間の大手学習塾にも負けない(と自負している)高校受験対策指導を行っている。それはさながら、公園の鉄棒でガチの筋トレをしているようなものではないか、という結論に至った。
ボランティアには様々な種類があり、「無料塾」の形も様々ある。ただ、他の無料塾を見学などしてみると、驚くほど「受験指導」とはほど遠いと言えるような活動が多いことに気付く。決まった教材もなく、学習スケジュールもなく、到達目標もなく、生徒はただ教科書を持って来てなんとなく分からなかったところを聞く。中には専門外のことを聞かれて一緒に考え込むボランティアスタッフを目にすることもある。それでも、その生徒にとっては勉強をしようとすること自体が評価に値する行為という場合もあり、「学習支援」の在り方は実に様々であるなと驚く。
他にも、話を聞いたり相談に乗ったりと子供の「居場所づくり」に重きを置く団体や、給食を出す「こども食堂」のような団体など、団体の在り方も様々である。そんな中で、ボランティアでガチの受験指導をしようとしている我々は、公園のような誰でも利用できる開かれた場で、黙々と筋トレのメニューをこなしている異色の集団なのではないか、という結論に至ったのである。
「子供の貧困」はここ数年問題とされてきたが、ようやく世間の耳目を集め始めたように思える。その中で無料塾やこども食堂の絶対数も増えてきたように感じる。絶対数が増えてきたことで、上に挙げたようなそれぞれの特色も見え始めて来ており、利用する側も支援団体を適切に選択する必要が生じてきているように感じる。
行政はようやく重い腰を上げて、これらの既存団体を金銭的に支援したり、既存団体からスタッフを吸い上げたりすることで、「子供の貧困対策」をやっている素振りを見せつつある。我々の役割は、公園の鉄棒で筋トレをするためのノウハウをひたすら蓄積し、評価し、改善し、共有していくことである。きっといつか行政がそれを目ざとく見つけて、しれっと盗んでくれることを信じて。
「この接続ではプライバシーが保護されません」と言われた
今日会社に来てブラウザを起動したらGoogleのトップページで
「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示された。
Googleだけでなく、httpsで始まるサイトどこにもつながらない。
検索しようにもGoogleもYahooも使えない。だがBingが使えた。
結論から言うと 「Kaspersky Small Office Security 3」が原因だったので、
Kasperskyを入れていない方にはこの情報は役に立たないです。
NET::ERR_CERT_WEAK_SIGNATURE_ALGORITHM
Issuer: Kaspersky Anti-Virus Personal Root Certificate
となっているので、最近のSHA1に関するナニかと思って、
証明書設定で「信頼されたルート証明機関」から消したり、
色々ゴネゴネしてみたけどどうにもならず。
Kasperskyの設定で「プロテクションを有効にする」のチェックを外して、
さらにWindowsのファイアーウォールの設定も全部無効にして、
完全無防備な状態で挑んでもダメ。(正直これはさすがに行けると思ってた)
小一時間いろんな事を試した結果、原因はこれ。
取りあえずこの「ウェブポリシーを無効にする」ことで、
httpsのサイトにアクセスできるようになった。なんだったんだ一体。
しかも邪悪なことにKasperksyの「Web保護」機能とは別枠らしい。
これは分からんよ…。
別にソフトをアップデートしたわけでもないので、
きっかけがよく分かってない。
この機能が何をしているものなのかは後でゆっくり調べることにする。
午前中が無駄になったので腹いせにブログを更新したなう。(仕事しろ)
自宅のひかりTVのSTBにDLNAサーバを設定した
自宅でひかりTVのSTB(セットトップボックス)のDLNAサーバ機能を設定してみたらメチャクチャ快適になったというお話。
今の家に引っ越してきたのは約3年前、引っ越しと同時にひかりTVを契約。地デジもひかりTVで見ることができる。当初出たばかりのSTBはトリプルチューナーと銘打たれていて三番組同時に外付けのHDDに録画できるという、なかなかの優れものだった。
しかしイケてない点があった。録画した番組をHDDから他のDVDなどのディスクメディアに移せないのであった。なのでどうしても消したくない番組はHDDに溜まる一方…。 そんな中、非公式ながらもHDD内の番組をDVDなどに焼く唯一の方法が、DLNAサーバを設定して同じネットワーク上のパソコンで焼くという方法だった。これがいかに大変な作業なのかは2年ちょい前の自分のツイートが物語っていた。
つまり、STBをDLNAサーバにした状態で、パソコンからアクセスして、著作権保護をいい感じにしながら焼き付けるソフトが必要ってことっぽい。誰がそこまでするんだよ…。
— オガワン (@Ogawan) 2014年12月23日
ひかりTVを録画したデータのBDダビングが複雑すぎる。こんなの一般のご家庭で出来るとは思えないぞ…。
— オガワン (@Ogawan) 2014年12月23日
しかも唯一ひかりTVを録画できるとされたソフトウェア「DiXiM BD Burner 2013」は2014年12月31日で販売終了という…(上のツイートの1週間後である)
もうひかりTV経由でHDDに録画した映像を円盤メディアに移すことはこの時点でほぼ諦めていた。
しかし2年の時を経て再びひかりTVを円盤に移したい事案が発生したので調べ直したところ、SONYのPC TV Plusという(おそらくnasne向けの)ソフトが最近更新されて、ひかりTV経由の番組もメディアに移せるっぽいことが分かった。
ひかりTVダビング対応したっぽい…??もうひかりTV見放されたかと思ってたが。試してみよう。 ---PC TV Plus │ nasne™ │ PlayStation® | ソニー https://t.co/2ZKLXseFTd
— オガワン (@Ogawan) 2017年3月18日
しかし最初の問題として、STBが自宅内のLAN上でネットワーク的に隔離されているというのがあった。ネットワーク構成がこんななってるのである。
もちろんネットワークに詳しい方ならこの接続がどれだけアホなことになっているかお分かりかと思うが、設置当初はこの構成じゃないと安定して通信が出来なかったのだ。普通に考えればネットワーク構成は下のようになる。
今回、まずこの構成に変えてみるところから始めてみたところ、特に問題なく通信できるようになっていた。おそらく、STBのファームウェア更新によって改善されたのであろうと思う。おそらくIPv6関連のアップデートが関係していると思われる。
そんなわけで晴れてSTBにDLNAサーバを設定したところ、なんてことはない、さっくりとPC/スマホからSTBに接続できるようになったのであった。
ひかりTVのチューナーでDLNAサーバ設定出来た!これは快適〜。 pic.twitter.com/v2wsMD0OaN
— オガワン (@Ogawan) 2017年3月20日
早速、SONY PC TV PlusをPCにインストールして、番組をBD-Rに焼いてみたところ、(かなり時間がかかったものの)ダビングに成功した。焼けたBDは家のBDプレイヤーで再生できることを確認した。(ダビングした番組がコピーワンスだったのでSTBからは勝手に削除された)
結果として
・HDDに録画した番組をBDなどのメディアに移せるようになった
・録画した番組を家の中ならどこでも見られるようになった
・というか普通にTV番組をリアルタイムでスマホで視聴できる
・なのでムスメとリモコンの奪い合いをしなくて良くなった
という革命が起こったわけである。
便利な世の中になったのぅ。
というわけで、今さらながらひかりTVとDLNAサーバをお勧めしたい。
あとひかりTVはもっとこういう情報(SONY PC TV Plusの件)などを積極的に発信して便利さをアピールしてほしい。もうNetflixとかが便利すぎてしまっているので、ひかりTVもちょっとそういう方向に寄せて行って欲しいものである。
BASTEK (ORICO) USB3.0 HUB SH4C2を購入したよ [その2]
その1はこちらから。
そんなわけで早速分解してみました。(写真がテカっている)
メインのHUBチップはVL813のようです。VIA正解でしたね。
ちょっと不思議な構成ですが、こんな感じの接続っぽいです。
※青線がUSB3.0、赤線がUSB2.0
CypressのHX3ではShared Linkという独自の方式で、
USB3.0とUSB2.0の線を独立に扱って、4ポートのUSB2.0/3.0HUBチップで、
8ポート(4xUSB2.0 + 4xUSB3.0)HUBを構成できるという仕組みがあるようですが、
この構成はそれに近い感じがしますね。
USB2.0と3.0が規格仕様上、互いに完全に独立できるからこそなせる技ですね。
さて、いくつか分かったことを書いておきます。
・赤いUSBポートは、接続上はUSB2.0として認識されそうですが、
回路構成上、USB2.0ポートとしては認識されない。充電専用のようです。
基板上の部品(U14,U15あたり)を外せば認識されそうな気はします。
R41~R45はAndroid/iPhone充電専用にするための抵抗が実装できそうですね。
・赤いポートでNexus5を充電したところ、急速充電されました。
しかし、670mA程度しか流れなかったのが気になります。
単にNexus5のバッテリーがへたってきてるだけかも知れませんが。
・Nexus5にOTG変換ケーブルをつけてドッキングステーションとして使ったところ、
HUB認識され、マウス、キーボード、USBカメラを同時に認識できましたが、
Nexus5の充電は行われませんでした(重要)。
充電しながら使えると思っていたのでちょっとショックです。
まあそれでも、基本的にデバイスの電源はHUB側から供給されるので、
スマホ側からの消費電流はそれほど多くはありません。
充電しながらHUBになれるデバイスはまた別のものを試してみたいと思います。
・電源は12V3Aをアダプターで入れて、5V(5Aくらい?)を作っているようでした。
これアダプターだけで1500円くらいはしそうなものなので、HUB全体として
3,599円という価格はかなり驚異的だなと思います。ワンチップじゃないですし。
5VはFR9855という降圧DC/DCコンバータのようです。
このサイズでFET内蔵で最大5.5A出力可能っていうなかなかパワフルな奴。
こういうのがDigiKeyとかで買えたらいいんだけどなあ。(見つからず)
いろいろと期待していたほどではなかったものの、
とはいえ、実用上は十分なスペックでありました。
これらは自分の設計にも参考にして積極的に応用していきたいところです。
やはり「ぼくの考えた最強のUSB3.0 HUB」は早く作らねば。
今日はここまで。